低身長と成長ホルモン | ||||||
子どもの成長 子どもは、生まれてから思春期を終え、大人になるまでに身長は約3〜3.5倍、体重は約17〜20倍に成長します。 この間の身長の伸びる速度や伸び方は、年齢によって異なりますが、人によってもさまざまです。 また、思春期が早い時期にくるか、遅めにくるかにもよって成長のパターンは変わってきます。しかし、平均してみると小学校入学の前後から思春期がくる前までの間は、1年間に5〜6cm伸びると考えてよいでしょう。
”低身長”とは ”低身長”とは、同性同年齢の人の平均身長よりも身長が著しく小さいことをいい、成長期にある子どもの場合では、何らかの原因で身長が伸びる速度が遅くなり、他の子どもと同じように成長できないことを意味します。 ”低身長”であるかどうかは、子どもの「身長」と「1年間の身長の伸び」をめやすに判断することができます。下の図の両方、あるいはどちらかに当てはまる場合は、注意が必要です。 |
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*-2SDとは? 下の成長曲線をみてください。このグラフには、男女別の身長の平均値のほかに「SD」「2SD」が書かれています。SDとは、専門的には”標準偏差”といい、同年齢での身長のバラツキの度合を表わしています。 通常、身長が標準偏差の2倍以上低い場合(-2SD以下)を”低身長”といいます。 |
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ホルモンと聞いただけで、副腎皮質ホルモンや性ホルモンを連想して拒否反応を示す方も少なくありません。 成長ホルモンはホルモンという名こそ付いていますが、むしろ骨、筋肉、内臓などの組織成長促進因子というべき物質できわめて安全です。糖尿病や特殊な肥満がない限り殆ど副作用を心配する必要もありません。もちろん白血病の心配もありません。注射への拒否反応を示す方々もおられますが、痛みの軽減には相当の工夫がなされており幼稚園の年中さんでも毎日続けられる程です。小学校高学年ぐらいになると自分で毎日 正確に注射しているお子さんも珍しくありません。 背を安全に伸ばすには、成長ホルモン治療以外には、現在の医学では方法がありません。親が中学、高校になってから急によく伸びたから大丈夫だろうと先延ばしせず、少なくとも小学校中学年くらいまでには是非相談に来ていただきたいものです。骨の成長が終了した後で(骨がかたまった後で)、相談に来られ、もう1mmも伸びない現実をまのあたりにして、外来で泣き出すお子さんが今でも後を絶ちません。 |
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最初はとにかく不安でした。 | ||||||
治療を始めてから身長が2倍の速度で伸び、体力もついてきました。副作用も特に有りません。主人はホルモンという言葉を聞いただけでアレルギーをおこしていましたが、成長ホルモンは性ホルモンや副腎皮質ホルモンとは違って、とても安全性の高いお薬だと知りました。 とにかく毎日続けるのが大事なのですね。3年目になりますが、運動会でも背の低さは以前ほど目立たなくなり、本当によかったと思います。 |
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(静岡県袋井市のお母さんからいただいたお手紙) |
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ホルモン、注射と聞いただけで・・・ | ||||||
という方は多いと思いますが、成長ホルモンは細胞、組織成長因子と思って下さい。 以前言われた白血病を誘発するということも全くありません。 最近では、外から全く針の見えない注射器もでて、恐怖心の軽減に役立つものと思われます。 この治療は継続が重要です。「毎日の歯みがきのようなつもりで」とご指導される先生もいます。そのうち伸びるだろうと先送りすることなく、早目に受診して、まず手のレントゲン写真から骨年齢を測っておく(成長が順調かどうか)ことが必要です。 |
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(間宮 康喜) |
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